

金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
少々下げ過ぎ? の金価格に要注目!
今年4月半ば以降から7月の初旬まで、目も当てられないほど強烈な相場下落に見舞われたのは金の国際価格である。指標とされるNY金(先物・中心限月)価格は4月初旬に1トロイオンス=1365ドルまで上昇する場面があったものの、7月初旬には一時1250ドルをも下回る水準まで値下がりし、場合によっては今後一時的にも「1200ドル割れの水準までもう一段値を下げる可能性もないではない」と見る向きさえある。
ここにきてNY金価格が弱含みで推移している理由は複数考えられるが、何より大きいのは「この6月にシンガポールで史上初の米朝首脳会談開催が現実のものとなり、いわゆる朝鮮半島リスクが一頃よりも大幅に低下したこと」がある。
加えて、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が今年に入ってすでに2回の追加利上げを実施していることと、今後の金融政策方針を議論する米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加メンバーらによる将来的な金利見通しがなおも強気であることも見逃せない。彼らの見通しによれば「FRBは年内にあと2回の追加利上げを実施する可能性がある」ということになり、そのことが市場でドル強気の見方につながっている。
一般に、金利がつかない金(ゴールド)は金利が上昇傾向をたどっている局面に弱く、同時に「アンチ・ダラー」でもあるとされる。その意味では、足元でユーロ圏において一段とポピュリズムの勢いが増していることや英国においてメイ首相率いる現政権の土台が大きく揺らぎ始めていることなども、一種のドル強気材料であると同時にゴールドにとってはとかく弱気に働きやすい材料となる。
ここにきてNY金価格が弱含みで推移している理由は複数考えられるが、何より大きいのは「この6月にシンガポールで史上初の米朝首脳会談開催が現実のものとなり、いわゆる朝鮮半島リスクが一頃よりも大幅に低下したこと」がある。
加えて、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が今年に入ってすでに2回の追加利上げを実施していることと、今後の金融政策方針を議論する米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加メンバーらによる将来的な金利見通しがなおも強気であることも見逃せない。彼らの見通しによれば「FRBは年内にあと2回の追加利上げを実施する可能性がある」ということになり、そのことが市場でドル強気の見方につながっている。
一般に、金利がつかない金(ゴールド)は金利が上昇傾向をたどっている局面に弱く、同時に「アンチ・ダラー」でもあるとされる。その意味では、足元でユーロ圏において一段とポピュリズムの勢いが増していることや英国においてメイ首相率いる現政権の土台が大きく揺らぎ始めていることなども、一種のドル強気材料であると同時にゴールドにとってはとかく弱気に働きやすい材料となる。