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実に興味深いのは「上場不動産投資信託(特別目的会社)」=J-REITへの投資の世界でも、近頃はESG投資の潮流が見る見る強まっているということである。要するに、それぞれのJ-REITが投資対象とするオフィスビルや商業施設などの不動産物件について、環境性能の向上や省エネ化などの見地から、それぞれに適切な工夫・努力がなされているか否かが問われる。
 もちろん、ESG投資の観点からして評価程度の劣るJ-REITには買いの手が入りにくいし、市場価格も低迷しやすい。逆に、環境性能の向上や省エネ化などの工夫・努力がきちんとなされている不動産物件はテナントの満足度が向上するうえ、それだけ引き合いも強まるため、賃料の引き上げも比較的容易になる。結果的に賃料収入が増加すれば、当然、J-REITとしての価値も上がり、市場価格も強含みで推移するということになるわけである。
 2009年以降は、欧州の主要年金グループが策定した「GRESB」(通称=グレスビー)というベンチマークによって不動産会社やファンド(含む特別目的会社)のESG配慮状態が測られるようにもなっており、日本でも53社(うち34社が不動産投資信託/2017年)が参加している。
 すでに「GRESBの評価を受けていない対象には投資しない」という投資家も現れてきており、今後はそうした要素も忘れずに加味することが投資先の選別において重要になってくる。
(左)THIS MONTH RECOMMEND これからは理性よりも感性の時代!?
その目的は「極めて功利的」と著者は言う。だからこそ今日、多くの企業経営者は、コンサルタントではなくデザイナーやクリエーターを相談相手に起用している。いまグローバル企業の経営幹部候補生は大挙して美術系大学院でトレーニングを受け、グーグルで最も人気の高い研修プログラムはマインドフルネスである。その理由を探ったうえで、もはや論理的思考などでは戦えない時代であることをあらためて肝に銘じたい。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』山口周/光文社新書/ 821 円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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