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この本が書かれて約10年後、クロード・テタンジェ氏の後を襲ったピエール=エマニュエル・テタンジェ氏と会った時も、同様の言葉、いいシャンパーニュをつくるのはいかに難しい作業かが語られた。
 「テタンジェのシャンパーニュの価格がそれなりにするのは、自社の畑で育てた最高のブドウ、それも一番絞りの果汁をふんだんに使い、長い時間と手間をかけて熟成させるからです。安くておいしいシャンパーニュはないと言っても過言でないほどで、本当に品質の高いものは、材料からつくりから、すべてに多大な手間がかけられているのです」
 しかし、偉大な経営者でありながら、哲学者のような言葉を使っていたクロード・テタンジェ氏と異なり、1953年生まれの4代目オーナー、ピエール=エマニュエル・テタンジェ氏は、シャンパーニュの効用についてわかりやすい言葉で語ることにも熱心だった。
 「シャンパーニュはすべてのガストロノミー(美食)に合うワインです。なぜならシャンパーニュは香りを隠さない。いわば透明なので料理のよさを見せてくれます。私は日本料理も大好きで、パリでも日本でも日本料理のお店によく行きます。なので、日本のどの料理にもテタンジェのシャンパーニュがよく合うことを知っています」
「コント・ド・シャンパーニュ」はテタンジェの最高峰に位置するキュヴェ(ブランド)。白は、シャルドネのみのブラン・ド・ブラン。使われるシャルドネは、コート・デ・ブラン地区のシャンパーニュの格付けで最高と評価されたグランクリュが主体。フィネスを約束する一番絞りの果汁だけを使用し、良年しか生産されないため生産量は限られる。テタンジェ社オーナーのピエール=エマニュエル・テタンジェ氏。
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