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濃厚さがおいしい羊乳を使う焼き菓子

そもそもメリーチョコレートカムパニー(以下メリー)は、1950年に青山で創業。戦後まもない頃で物資も不足ぎみだったが、本物のカカオによるチョコレートづくりを手がけてきた。1958年に、2月14日はチョコレートを贈って女性から男性へ愛を告白する日として、バレンタインデイを企画したのも同社だ。
 このように、チョコレートが社会に広まるのに寄与したことも含めて、メリーは「日本のチョコレート文化に貢献してきた」と自負する。
 ではなぜメリーが羊かというと、そもそも社名の由来が、「メリーさんのひつじ」。
 「創業者が、親しまれる欧米風の社名にしたいと考え、ふたつの要素がすぐ思い浮かんだそうです。ひとつは米国をはじめ世界中で親しまれた女優のメアリー・ピックフォード(1929年『コケット』でアカデミー主演女優賞を受賞)。もうひとつは童謡の「メリーさんのひつじ」。日本人に最も親しみのある欧米風の名前だということで、メリーとつけました」(広報担当者)
 そして2000年代。メリーでは童謡を連想させる名前の製品を世に送り出した。「メリーちゃんの羊」シリーズ誕生は、いままでなかったのが不思議と思えるほど、当たり前のようなネーミングだ。
 マドレーヌ、フィナンシェ、テイスティケーキなど焼き菓子がメインとなる「メリーちゃんの羊」。当たり前と書いたが、社名とつけるだけあって? 内容は凝ったものだ。北海道・旭川ちかくの美深にある「松山農場」から送られる羊乳を使う製品が多いのが最大の特徴だ。
 羊乳といえば、海外ではフランスのロックフォールチーズなど、比較的ポピュラーだが、日本では、羊乳をメインにしているのはここ松山農場だけと貴重品だ。
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