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メリーチョコレートカムパニーでは、6月6日を「ひつじの日」と制定し、
今年「メリーちゃんの羊」ブランドをリニューアルした。
ひつじミルクを生地に入れ、ひつじをかたどったマドレーヌケーキ(左)
バニラ・ココア各105円がイチバン人気。
(右)ひつじの印をプリントしたフィナンシェケーキ各147円もある。
不可思議な羊の正体
Text Fumio Ogawa
-音楽-
音楽からお菓子まで生み出す世界中で愛されるメリーと子羊
19世紀に作られた「メアリー・ハド・ア・リトルラム」(日本題「メリーさんのひつじ」)という歌が、21世紀になっても広く愛されているのは興味ぶかい。
 内容は、農場に住むメアリーという女の子が可愛がっていた子羊が、学校についていってしまう顛末を歌ったもの。
 子羊はメアリーの授業が終わるのを待っている。なぜあんなに辛抱強いの? と生徒たちに訊かれて、先生は「なぜならメアリーが子羊を愛しているからよ」と答える。
 ひとと子羊の心が通いあう交流。1970年代にはポール・マッカートニーも、メアリーという自身の娘のために同名の歌を作ったことがある。「メアリーがどこへ行っても真っ白な毛の子羊はついていくよ」という、まさに牧歌的な、ほのぼのとした内容。
 背景には妻のリンダが、大の動物好きだったこともある。リンダと1969年に結婚したポールは、彼女のために、スコットランドやアメリカで農場を手に入れ、そこで羊を飼った。
 「彼女にとってすべての動物はディズニーのキャラクターのような存在であり、愛情をもって大切にする価値のあるものでした」
 リンダが1998年に他界したとき、ポールは追悼文のなかでこのように述べている(回想録「メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」竹林正子訳)。
 もうひとつ、メアリーと子羊のエピソードに触発されたのが、東京のメリーチョコレートカムパニーだ。「メリーちゃんの羊」と名づけた焼き菓子を2009年に発売。いらい好評だという。
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