-映画-
『羊たちの沈黙』を破る“子羊の悲鳴”
『羊たちの沈黙』を破る“子羊の悲鳴”
Text Yukio Todoroki
「どうだね、クラリス、子羊の悲鳴は止んだかね?」
これは、1988年に刊行、今やサイコサスペンスのクラシックとなったトマス・ハリスの小説『羊たちの沈黙』(新潮文庫/訳・菊池光)の終盤に登場する文言だ。
手紙の中でそう問いかけているのはハンニバル・レクター。天才的な頭脳を持ち、精神科医にして猟奇殺人犯、食人嗜好があることから「人食いハンニバル」の異名も。彼は、自分が与えたヒントに沿って、ある事件を解決したFBI捜査官の訓練生クラリス・スターリングにその言葉を投げかけたのだった――。
ご存じの通り、ベストセラーとなった小説は、ジョナサン・デミ監督の手で映画化、91年に公開されるや大ヒットした。レクターはアンソニー・ホプキンス、クラリスはジョディ・フォスターというキャスティング。本作は第64回アカデミー賞にて作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞の主要5部門を獲得。こちらも小説同様に、年月を経ようと、殿堂級の傑作として称えられている。

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