世界の贅沢、NILEの贅沢

北村英治（きたむら・えいじ）
慶應義塾大学在学中にクラリネットを学び、1951年に南部三郎クインテットでデビュー。54年には自らのバンド「北村英治スーパーカルテット」を結成。レコードアルバムの数はすでに100を超える。2007年旭日小綬章受章。82歳になった今も世界的ジャズクラリネット奏者として活躍している。

ヌメアがスイングした夜

北村英治 in New Caledonia

東日本大震災後、ニューカレドニアではホテルやレストランが売り上げの1割を義援金として寄付するなどの支援活動が展開されている。その一環として、「北村英治チャリティコンサート in New Caledonia」が開催された。6月24～26日の3晩にわたって、世界的クラリネット奏者・北村氏率いるスーパーカルテット（ピアノ＆ヴォーカル高浜和英、ベース山口雄三、ドラム八城邦義）が数々の楽曲を夜空に響かせた。第一夜の会場は、高等音楽院コンセルヴァトワール・ド・ヌーベルカレドニー。耳の肥えた聴衆たちで埋め尽くされたこの空間は、時に軽快に跳ね、時にしっとり泣き、時に激しく爆発する音色に興奮の坩堝と化した。最後はもちろん、スタンディングオベーション。アンコール2曲を経てコンサートは熱気冷めやらぬ内に閉幕した。プロ中のプロのハイレベルの演奏に酔いしれた3日間にわたるコンサート。収益金はすべて日本赤十字社を通して被災者支援に役立てられる。