

金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
年末のドル高&日本株高に期待するワケ
9月3日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水素爆弾の実験に「完全に成功した」と発表した。これを受け、金融市場では一気にリスク回避のムードが色濃くなり、円高・ドル安が進むとともに日経平均株価が大きく下押すこととなった。
いわゆる地政学的リスクというものは、相場にとって「あくまでも一過性のかく乱要因に過ぎない」と考えていいだろう。しかし、現実的に目の前でドル安・円高、日本株安の動きを見せつけられるのは決して愉快なことではない。考えてみれば、なおも米国経済のファンダメンタルズは極めて良好な状態を持続しており、足元で円やユーロなどに対してやけにドル安が進んでいる状況には、相当の違和感を禁じ得ない。もちろん、国内上場企業の業績もすこぶる好調に推移している模様であり、本来であれば日経平均株価も現在水準よりずっと高い位置にあってもいいはずである。
執筆時においては、いまだ北朝鮮リスクへの警戒を安易に緩められない状況にあるが、そのような空気感のなかでも筆者は静かに2017年の年末相場にかける期待を胸中で膨らませている。その根拠を以下に幾つか挙げておきたい。
第一に、やはり最も肝心な米国経済のファンダメンタルズが一段と改善すると見込まれることが大きい。現時点において最も重要視されている米国の物価&インフレ率の上昇圧力は足元で着実に強まっていると見られ、それがデータの上でもそろそろ明らかになってきそうである。
米アトランタ連邦準備銀行が独自にまとめ公表している「Sticky-PriceCP(I 粘着価格指数)」という一種のインフレ指標によれば、7月のCoresticky CP(I コア指数)は前月比年率で+2.7%と、ここにきて徐々に上向きな推移となってきている。この指標は、頻繁に価格が変わる品目を極力除いていることから、より物価の基調が把握しやすいとされる。
いわゆる地政学的リスクというものは、相場にとって「あくまでも一過性のかく乱要因に過ぎない」と考えていいだろう。しかし、現実的に目の前でドル安・円高、日本株安の動きを見せつけられるのは決して愉快なことではない。考えてみれば、なおも米国経済のファンダメンタルズは極めて良好な状態を持続しており、足元で円やユーロなどに対してやけにドル安が進んでいる状況には、相当の違和感を禁じ得ない。もちろん、国内上場企業の業績もすこぶる好調に推移している模様であり、本来であれば日経平均株価も現在水準よりずっと高い位置にあってもいいはずである。
執筆時においては、いまだ北朝鮮リスクへの警戒を安易に緩められない状況にあるが、そのような空気感のなかでも筆者は静かに2017年の年末相場にかける期待を胸中で膨らませている。その根拠を以下に幾つか挙げておきたい。
第一に、やはり最も肝心な米国経済のファンダメンタルズが一段と改善すると見込まれることが大きい。現時点において最も重要視されている米国の物価&インフレ率の上昇圧力は足元で着実に強まっていると見られ、それがデータの上でもそろそろ明らかになってきそうである。
米アトランタ連邦準備銀行が独自にまとめ公表している「Sticky-PriceCP(I 粘着価格指数)」という一種のインフレ指標によれば、7月のCoresticky CP(I コア指数)は前月比年率で+2.7%と、ここにきて徐々に上向きな推移となってきている。この指標は、頻繁に価格が変わる品目を極力除いていることから、より物価の基調が把握しやすいとされる。