
市街地の北西のはずれ、函館港を見下ろす高台に位置する外国人墓地。江戸時代末期からこの海に面した景勝の地に立つ。イギリス・ドイツ・アメリカなど国籍もさまざまな領事や商人、海兵らが眠る。海を眺めているかのように41基の墓碑が並ぶ。
まず基坂(もといざか)。かつて坂上に役所が置かれていて、松前藩時代の亀田番所に始まり、幕府直轄時代の箱館奉行所、明治以降は開拓使、その後は1950(昭和25)年まで渡島支庁と、時代の変遷とともに名称を変えながら歴史を紡いだ。「お役所坂」の名で親しまれたこの基坂を上った先にある旧函館区公会堂を左に折れてしばらく歩くと、教会群に行き当たる。
ゴシック調の大鐘楼を持つカトリック元町教会、ロシア領事館付属聖堂を前身とする函館ハリストス正教会、上から見ると十字の聖堂が目を引く函館聖ヨハネ教会……宗派の異なる三つの教会が肩を寄せ合うように立ち、「函館の中の異国」を象徴する景観を創り出している。
ゴシック調の大鐘楼を持つカトリック元町教会、ロシア領事館付属聖堂を前身とする函館ハリストス正教会、上から見ると十字の聖堂が目を引く函館聖ヨハネ教会……宗派の異なる三つの教会が肩を寄せ合うように立ち、「函館の中の異国」を象徴する景観を創り出している。

英国国教会を宗派とする函館聖ヨハネ教会。シンプルな木の内装と茶色の十字形をした屋根が特徴的なこの建物は1979(昭和54)年のもの。モダンな外観が目を引く。