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参考資料:「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(FAQ)」平成28年7月(平成29年3月改訂) 国税庁

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米国がタックスヘイブン化
 以上がCRSの概要とインパクトだが、このことを奇貨として、皮肉にも米国が非居住富裕層のタックスヘイブンとなりつつある状況がある。ネバダ州、ワイオミング州、サウスダコタ州は、低い州税と秘匿性に優れた信託制度を“売り物"にして、スイスやバミューダ、バハマ
等に置かれていた世界中の富裕者層の金融資産の移転先になりつつあるのだ。
 その理由は、米国がCRSを批准しなかったことにある。米国は、国内的には、財務省がCRSと同様の基準導入を提案しているのにもかかわらず、議会の反対に遭っていまだ提案は否決されている。国外的には、OECDと折り合いをつける姿勢をまだ見せていない。
 その間隙を突くように、多くの金融機関が米国内に信託会社を設置し、今までスイスなどに置かれていた非居住者の金融資産を積極的に米国内に呼び込む動きがあるのだ。
 CRSをめぐる米国の対応を見ていると、アンリ・デュナンが始めた赤十字活動をほうふつさせるものがある。
 赤十字は19世紀後半にヨーロッパを起源として結成された国際組織だが、当時、各国赤十字の名誉総裁は、その国の女王がほとんどを占めていたそうだ。その含意は、「夫(王様)が国民を戦争に駆り出すと同時に、傷病したら妻が赤十字で面倒を見てあげるから安心して従軍してね」といったところだが、自国民の国外への財産隠しは許すまじとしておきながら、他国民の金はいらっしゃいとしていることが、何となく似ているように思えてくるのは私だけだろうか。
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