もう一つ、「置き上げ」は、明治時代に完成したものの、長く途絶えていた技法である。光雲窯の今村隆光氏が復活させた。「水で溶かした陶土を絵柄に筆で塗っては乾かしながら重ね上げ、立体的な絵に仕上げる」という。非常に時間が掛かる作業だ。
「祖父は絵付け師、父はろくろ師と、代々焼き物に携わってきましたが、窯を持ったのは私が初めてです。長く有田で修業する中でたくさん作品を展覧会に出品して、一部に置き上げの技法を使った。それが『三川内焼の古いものを復活させる』動きと相まって、本格的に取り組むことになりました。独学です」
鶴のような古典的な絵に加えて、今村氏は魚が得意。中でも人気は、この地域でかつて盛んだった鯨漁を描いたもの。ほかに鮟鱇(あんこう)もあって、どれもユーモラスで、気分がほっこりする作品ばかりである。
三川内には他にも「極みの手技」を持つ窯元が多数ある。その歴史と技を知ることができる。
そして締めは、ホテルオークラJRハウステンボスの鉄板焼「大村湾」の、三川内焼の器に盛られたフルコース。実際に訪ねた窯元の器で長崎の山海の幸を存分に味わうことができる。
三川内焼の器で長崎の旨いものを食す
長崎和牛、五島灘や佐世保近海でとれる魚が豊富にそろう長崎県。この地元の食材をメインに、三川内焼の器で食せるコースを提供しているのが、ホテルオークラJRハウステンボスの鉄板焼「大村湾」である。料理長が窯元を訪ね、コースの内容と器の形、染付など、オリジナルでオーダーした三川内焼の器のみを使う。美しい皿に盛りつけられた長崎の旨いものが、またひと味違う地元の滋味を感じさせてくれる。
「祖父は絵付け師、父はろくろ師と、代々焼き物に携わってきましたが、窯を持ったのは私が初めてです。長く有田で修業する中でたくさん作品を展覧会に出品して、一部に置き上げの技法を使った。それが『三川内焼の古いものを復活させる』動きと相まって、本格的に取り組むことになりました。独学です」
鶴のような古典的な絵に加えて、今村氏は魚が得意。中でも人気は、この地域でかつて盛んだった鯨漁を描いたもの。ほかに鮟鱇(あんこう)もあって、どれもユーモラスで、気分がほっこりする作品ばかりである。
三川内には他にも「極みの手技」を持つ窯元が多数ある。その歴史と技を知ることができる。
そして締めは、ホテルオークラJRハウステンボスの鉄板焼「大村湾」の、三川内焼の器に盛られたフルコース。実際に訪ねた窯元の器で長崎の山海の幸を存分に味わうことができる。
三川内焼の器で長崎の旨いものを食す
長崎和牛、五島灘や佐世保近海でとれる魚が豊富にそろう長崎県。この地元の食材をメインに、三川内焼の器で食せるコースを提供しているのが、ホテルオークラJRハウステンボスの鉄板焼「大村湾」である。料理長が窯元を訪ね、コースの内容と器の形、染付など、オリジナルでオーダーした三川内焼の器のみを使う。美しい皿に盛りつけられた長崎の旨いものが、またひと味違う地元の滋味を感じさせてくれる。


(上)「平戸嘉久正窯 染付竹林角皿」で供される「A5ランク九州産銘柄和牛の味わい フィレとサーロイン」。コースは全8品、18,000円。(下)ホテルの12階に位置する鉄板焼「大村湾」は、窓からヨーロッパ風の街並みとその先に広がる大村湾を一望できる。