
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト

期待が膨らむ!?春の日本株高
2月末日に行われた米大統領による施政方針演説の翌日、米国の株価指数を代表するNYダウ工業株30種平均(NYダウ平均)が、ついに2万1000ドル台に乗せる動きとなった。年初から執筆時までの上昇率は最大で6.5%となった。
その一方で、日経平均株価は年初に1万9600円近くの高値をつけてから執筆時まで長らく1万9500 ~ 1万9600円あたりで上値を抑えられる展開を続けてきた。その間、下値は徐々に切り上がる格好となっており、テクニカル分析の世界で言う三角保もち合い(トライアングル)のなかでも強気のフォーメーションとされる「上昇三角形」がチャート上に描かれることとなった。この上昇三角形の上辺にあたる水準をクリアに上抜ける動きとなれば、そこからの上値余地は大きく拡(ひろ)がる可能性が高いと判断されることになる。
年初来、NYダウ平均に比べて日経平均株価が出遅れ気味の状態を続けた理由は諸もろ々もろあるが、一つには国内企業の多くが世界でも珍しい「3月本決算」としていることにも因(よ)ると考えられる。いわゆる決算対策の売りが主に機関投資家などからまとまって出てくることにより、結果的に株価の上値が抑えられがちとなるのである。
実際、投資部門別株式売買状況を見ると生保・損保や都銀・地銀などは3月の第1週まで長らく日本株を売り越している。海外投資家にとっては日本の3月本決算など無縁なようにも思えるが、日本の事情を知り尽くしているため買いを手控えようとする。
その一方で、日経平均株価は年初に1万9600円近くの高値をつけてから執筆時まで長らく1万9500 ~ 1万9600円あたりで上値を抑えられる展開を続けてきた。その間、下値は徐々に切り上がる格好となっており、テクニカル分析の世界で言う三角保もち合い(トライアングル)のなかでも強気のフォーメーションとされる「上昇三角形」がチャート上に描かれることとなった。この上昇三角形の上辺にあたる水準をクリアに上抜ける動きとなれば、そこからの上値余地は大きく拡(ひろ)がる可能性が高いと判断されることになる。
年初来、NYダウ平均に比べて日経平均株価が出遅れ気味の状態を続けた理由は諸もろ々もろあるが、一つには国内企業の多くが世界でも珍しい「3月本決算」としていることにも因(よ)ると考えられる。いわゆる決算対策の売りが主に機関投資家などからまとまって出てくることにより、結果的に株価の上値が抑えられがちとなるのである。
実際、投資部門別株式売買状況を見ると生保・損保や都銀・地銀などは3月の第1週まで長らく日本株を売り越している。海外投資家にとっては日本の3月本決算など無縁なようにも思えるが、日本の事情を知り尽くしているため買いを手控えようとする。