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Benoit Gouez Chef de Cave
フランス・ブルターニュ地方生まれ。カリフォルニア、ニュージーランド、オーストラリアのワインナリーで修業。その後、南仏のプロバンスでワイン造りを経験し、モエ・エ・シャンドンの当時の醸造最高責任者と出会い1999年にモエ・エ・シャンドンに入社。ニューワールドワインの革新的な部分も理解しながら、伝統を重んじる考え方がモエ・エ・シャンドンのシャンパン造りの哲学と合致していたため、2005年に35歳の若さで現職。
実は2006年の気候条件は、変動に富んだ波瀾万丈なものだった。
「冬は厳しい寒さに覆われ、春は霜がおりてひょうが降り、夏は暑く、8月は雨に見舞われました。ところが、収穫直前の8月末から9月にかけて、晴天が続き、昼夜の寒暖差があり、さわやかな風が吹く、ブドウにとってとても良い環境となったのです。そこで私たちは、なるべく収穫を遅らせて、きちんと熟れたブドウを収獲しました。ブドウの熟成度を見るのにアルコールポテンシャルというものがあるのですが、ヴィンテージを造るにはこの数値が9.5以上必要です。2006年はこれが10.2を記録し、21世紀で最良といわれる2002年と似た、すばらしいバランスを持っていたのです」 
 そして7年間、セラーで熟成させたヴィンテージ 2006は、逆説的だが、あまり熟成香のない、瑞々しくフローラルな香りを備えていた。しかし、これは「良いサイン」だとゴエズ氏は言う。これからさらに長期にわたる熟成に堪え、極上の風味を実現できるということなのだ。
「こうしたエイジングポテンシャルを持つには、ブドウの糖度が高く、果実味があり、しっかりとした味の構造を持っていることが重要です。この味の構造のポイントになるものとして一般的なのが酸ですが、2006年では酸味は抑えられ、その代わりにフィニッシュにわずかな苦みが効いています。それが、シャンパン通の方々にも喜んでいただける、すばらしい個性となっています」
 フルーティで、かつどっしりとしたボリュームのある味わいのヴィンテージ 2006は、シャンパンでありながら肉料理にも調和する。そして唯一、シャンパンにないのは塩味だとゴエズ氏。だからこそ、シャンパンは塩味のある料理に合う。
「料理のあんばいが決め手となる日本料理は、シャンパンがとても合わせやすい料理です。ですから日本の皆さまには、シャンパンを特別な機会を待つことなく、ご自分の気持ちに素直に従って、どんどん味わっていただきたいと思います。人生の一瞬一瞬を慈しむためにシャンパンを飲むことで、日常がより楽しい、豊かなものとなるでしょう」

●MHD モエ ヘネシー ディアジオ モエ ヘネシー マーケティング部 TEL03-5217-9906 www.moet.jp
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