
(左)エグゼスのロビー。モダンな中にも琉球情緒が薫る空間だ。スタッフが温かな笑顔できめ細かなサービスを提供する。(中)ロイヤルエグゼススイートは10階にプライベートプールを備える。昼間は海、夜は大きな星の瞬きが視界いっぱいに広がる景色が楽しめる。(右)8、9階のエグゼスフロアに宿泊すると、軽食やドリンクをサービスする専用のラウンジやコンシェルジュサービスが利用できる。
「この時、政府が打ち出した来島客の目標数値は150万人。それまではせいぜい80万人でしたから、約2倍になります。当然、本土系企業を中心に投資活動が展開し、ホテルブームが巻き起こりました。うちも本土復帰前年に観光客の増加を想定して、4階から8階建てに拡張しました。この先行投資は円が360円から305円に切り替わる少し前で、ドルで契約したことにより為替差益を得るという幸運にも恵まれました。親父は運が強い。それも先見性ゆえのことでしょう。
海洋博の時、私もまだ東京の大学に通う学生で、手伝いに呼ばれましてね。沖縄が観光地として花開く一方で、半年間にわたって開催された博覧会半ばくらいにはもう、乱売合戦に転じていく様を目の当たりにしました。実際、翌年には観光客が半減しましたから、事は深刻でした。それで私はホテル業をしっかり組み直さねばと、大学を辞めて家業を引き継ぐことを決意したんです。もっとも我々は、海洋博目当てに投資をしたわけではない。銀行に泣きつく同業者が多い中、観光客誘致のための営業活動に走り回っていました。そんな時に銀行から『サンタルチアをやりませんか』という話が舞い込んだのです」――ホテルサンタルチアは那覇市泉崎の好立地にある、ホテルなはより2ランク上の優良物件だった。かりゆしに「否や」はない。買収に踏み切り、全面改装を経て79年、「ホテル ニュー那覇」として新装オープンさせた。これが現在の「沖縄かりゆし琉球ホテル・ナハ」である。
海洋博の時、私もまだ東京の大学に通う学生で、手伝いに呼ばれましてね。沖縄が観光地として花開く一方で、半年間にわたって開催された博覧会半ばくらいにはもう、乱売合戦に転じていく様を目の当たりにしました。実際、翌年には観光客が半減しましたから、事は深刻でした。それで私はホテル業をしっかり組み直さねばと、大学を辞めて家業を引き継ぐことを決意したんです。もっとも我々は、海洋博目当てに投資をしたわけではない。銀行に泣きつく同業者が多い中、観光客誘致のための営業活動に走り回っていました。そんな時に銀行から『サンタルチアをやりませんか』という話が舞い込んだのです」――ホテルサンタルチアは那覇市泉崎の好立地にある、ホテルなはより2ランク上の優良物件だった。かりゆしに「否や」はない。買収に踏み切り、全面改装を経て79年、「ホテル ニュー那覇」として新装オープンさせた。これが現在の「沖縄かりゆし琉球ホテル・ナハ」である。