美食と贅を叶えてくれる首都、ヌメアに遊ぶ。
ヌメアこそ、南太平洋で最もフランスらしさを味わえる街である。南の島に根ざした特有の大らかさと優しさに、パリの気品とエスプリとが融合して出来上がった街並みは、どこまでも明るい彩りに満ちて、まさに期待どおりの、あるいはそれ以上のリゾートウィークに遭遇することが約束されよう。じっくりとホテルステイを堪能したあとは、ヌメアの市街地へと遊ぶのもまた大人の選択だ。大型クルーザーの出入りするマリーナ、それを見下ろす高台に建てられたカトリック大聖堂の塔。街の中心にある瀟洒な広場に思い思いの過ごし方で人々は和み、彼らの傍らには火炎樹という名の真紅の花が揺れている。果物が積み上げられた活気あふれる市場の様子も楽しい。たまたま見つけた小さなカフェに入って味わう極上のエスプレッソ、焼きたてのクロワッサン。気が向いた日にはマリーナからヨットをチャーターして無人島へ向かうのもいい。目的もなく過ごす粋なピクニックの終わりは、シャンパンと共に優雅なグルメランチで締めくくられるだろう。そんなこの島に、フランス本国からヴァカンスに訪れる人たちの姿も少なくない。


(左)ウワントロの丘の中腹からアンスバータの海が見える。穏やかな日曜の午後だった。
(右)大聖堂の向こう、ハーバーにひしめくクルーザー群。ヌメアの気ままな散策もまた楽しい。
(右)大聖堂の向こう、ハーバーにひしめくクルーザー群。ヌメアの気ままな散策もまた楽しい。