
人類が初めて巡りあった蜂蜜酒「ミード」
蜂蜜を水で薄めて発酵させた醸造酒
「ミード」という耳慣れない名前のお酒。実は、ワインより古く、約1万4千年前に人類が初めて巡りあったお酒のことである。一説に、喉が渇いた狩人がひっくり返った蜂の巣に溜まっている雨水を飲んだことが最初と言われている。さまざまな神話や伝説に登場し、ギリシャでは神の飲み物として崇められ、古代エジプトのクレオパトラ、ローマのジュリアス・シーザー、昨今では、イギリスのエリザベス女王80歳の誕生日祝いに振舞われるなど、愛飲家(ミードラバー)は多岐にわたる。現在、ミードはアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリア等500カ所ほどで造られ、その醸造所は「ミーダリー」と呼ばれる。「メディスン(薬)」の語源になったり、「ハネムーン」の語源としても知られており、知れば知るほど奥深く縁起の良いお酒なのである。そこで「ミード」のさまざまな背景を調査した。

(左から)「ムンロ・ドライ」=2004年ミードフェスティバル銀賞受賞の辛口ミード。「スカイリバー・ミード」=ロッキー山脈から流れ落ちる水とリンゴやメロンの蜂蜜で造られたフルーティーなお酒。「バーソロミュー・ミード」=ユーカリの蜂蜜から造られたすっきりとした甘みと酸味のミード。