
(左)メインプール、ラグナリウム(天然水族館)を囲むインターコンチネンタル リゾート タヒチの水上バンガロー。(中)インターコンチネンタル リゾート タヒチのスイートからは、ターコイズブルーの美しいラグーンが広がる。(右)瀟洒なタイナマリーナにはレストランも多く、お目当てのディナーには、チャーターしたヨットやクルーザーでの、海からのアクセスもここではポピュラーな光景だった。
やがて夕陽の色へと変わる海をワイングラスに映しながら、運ばれてくる一皿に驚き、続く一皿に心ときめく。「とても綺麗な色なのね」。ケイマンSのボディカラーであるガーズレッドについてさり気なく褒めてくれたのは、オーナー夫人のベネディクトさんだった。白を基調にしたル・ココスの可愛らしいエントランスの傍らで、確かにケイマンSは完璧な存在感を放っていた。この店の人気パティシエールとして活躍する夫人は、オーガニックフルーツをふんだんに用いて砂糖を控えた、品のよい甘さの探求に余念がない。夫人がお薦めする「マルケサス産のハチミツを使ったマドレーヌ」と「フランス由来の淡いローズカラーのマカロン」は、なるほどこの店の気品に相応しい、うっとりするようなスイーツたちであった。