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金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト




大幅下落のドルや日本株に
押し目買いのチャンスは?
去る1月29日、日銀は金融政策決定会合において初めて「マイナス金利」の導入を決定した。そして、その数日後には日本の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが、初めてマイナスの水準へと沈むことになった。いずれも“初めて"のことだけに、わけもわからず市場ではただただ不安心理が増幅し、いわゆるリスク回避の円買い(円高)、株売り(株安)が顕著となった。
 本来、マイナス金利が導入された日本の通貨=円は一段と安くなってもよさそうなものである。年初からの円高傾向が一服して円安傾向に戻れば、日本株が買い戻されてもよさそうなものである。しかし、実際には疑心暗鬼のムードばかりが市場全体を覆い尽くすこととなり、あらゆるリスク資産からマネーが逃げ出す事態となってしまっている。もちろん、そこには原油安や中国リスクなど諸々(もろもろ)の要因が複雑に絡み合っていることも見逃せない。
 執筆時(2月上旬)のドル/円は、すでに113円をも割り込む展開となっており、2104年10月末に日銀が「追加緩和」実施の決定を下した直後の水準にまで値下がりしてきている。
 今後、もう一段の下落となれば、もはや日銀追加緩和前の水準である110円あたりの水準が、視野に入ることとなる。諸々のリスク要因や不安要素が市場に居座り続ければ、一時的
にも105円程度まで円高・ドル安が進む可能性さえ、否定はできなくなってきた。
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