世界の贅沢、NILEの贅沢

セラーは『美しい服の並ぶワードローブ』

「MW試験は2年がかりで猛勉強したけれど、まさか受かるとは思っていなかったよ。ワインを学ぶには、情熱と執着心が必要。でもワインの仕事は、人に寛大で優しい気持ちをもたらしてくれる。まさに『美しい服の並ぶワードローブ』の中で働くことと同じなんだ」
　各国のワインリストに名を連ねるワインは総数20000本。全て一度シドニーに取り寄せ、テイスティングし状態を確かめてから送り出す。リストは料理に合わせて年に3、4回リニューアル、常にシェフと相談して決めている。
　プライベートでワインを飲むときは、まず料理を決めてから合うワインを選ぶという。「そのときの気分も大切。恋人と夕暮れのなか飲んだワインの味を、夕日を見るとまた思い出すように、ワインは記憶に残る飲み物。ただ飲むだけでなく、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』のアリアを聴きながらとっておきのワインを楽しむなんて、最高じゃない？」

好きなワインはギガル「ラ・ムリーヌ」、シャンパーニュ「クリスタル」、バロッサ・ヴァレー「チャールズ・ミルトン」、マーガレット・リヴァー「カレン」、ヴェネト「アマローネ」と、有名、無名は問わない。