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1973年に発売されたアキュフェーズの第1号製品群(写真左)。プリアンプC-200(左上)、パワーアンプP-300(左下)、AM-FMチューナーT-100(右)。この時から一貫して高級機路線をひた走る。デザインのフォルムや高機能性の追求は継承され、高品位なポリシーが貫かれた製品は、誕生以来、世界各国のオーディオ専門誌に高く評価され、毎年実施される数々のオーディオ賞で上位に輝いている(写真右)。
趣味だけでなく文化としてのオーディオを維持していく
アキュフェーズが国内の大手メーカーと大きく違うのは、コストを度外視した本物志向のラインナップを持ち、品数も最小限にとどめて、製品の入れ替えサイクルを長く取っている点にある。本当に優れたパーツだけを国内で調達、本社建物内にある工場ラインで組み立て出荷するという、まさにハンドメイドの最上級オーディオ製品なのである。

 一般的な大手ブランドは低価格機も含めたラインナップを揃えて、高級機でもコストを重要視している。そのため屋台骨となる事業に陰りが出ると、真っ先に高級機部門が仕分け対象となり、ブランドを支持していたユーザーの想いをも一緒に切り捨ててしまう。アキュフェーズ創設諸氏がかつて在籍したブランドが過当な価格競争に巻き込まれ、音楽をより良いサウンドで理解できる、教養を高めるための高品位なオーディオを追求できなくなったことに嘆き、国内でも正当に評価される高級機メーカーを作り上げたいと願ったことが同社誕生の背景にある。齋藤重正社長も「趣味だけでなく文化としてのオーディオを維持していくため、量よりも質を追求し、ユーザーの期待を裏切らない製品作りを続けていきたいですね」と語る。

 アキュフェーズ製品は5年間保証(プレーヤー系製品は3年間)を謳っており、いかに製品が安定度、信頼性の高さを持っているかがわかる。さらにこれまで同社が製造してきた製品のほとんどのモデルは現在でも修理可能であるなど、手厚いアフターサービス対応も魅力の1つである。飽きのこない落ち着いたデザインはインテリアにも溶け込み必要以上の主張をしない。そうしたことで長期間の使用にも耐えうる上質な存在となるのだ。そのサウンドは落ち着きのある丁寧な描写を得意とし、濃密で伸びやかな表現力に満ちている。
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