
人々のより豊な生活文化への貢献活動代表施設である「サントリー美術館」(左)と「サントリーホール」(右)。サントリーホールの大ホール壁面の内装材にはウイスキーの貯蔵樽に使われるホワイトオーク材を、そして、床や客席の椅子背板にはオーク(楢)材をと、ふんだんに木を使用し、サントリーならではの独自性とふかみのある音を演出する。
日本企業の伝統を受け継ぐ利益三分主義
「水と生きるSUNTORY」には、さらにもうひとつの意味がある。「それは、地球にとって水が欠かせないものであるように、サントリーが社会にとってなくてはならない存在となるよう、社会貢献に従事する、という意味です」と内貴氏は言う。「当社には創業以来、“利益三分主義”という信念があります。それは、事業で得た利益の三分の一は社会に還元し、三分の一はお客様やお得意先にサービスとしてお返しし、残りの三分の一を事業資金としていく考え方です」。同社の社会貢献の歴史は古く、創業者・鳥井信治郎の時代には1921年の今宮無料診療所の設立に始まり、幼稚園や老人ホームの設立など幅広い社会福祉活動が手がけられ、現在まで長年にわたり続けられている。2代目・佐治敬三の時代になると、人の心を豊かにする文化活動への貢献もスタート。音楽財団や文化財団を設立するとともに、サントリー美術館、サントリーホールなど、日本を代表する文化施設を設立・運営してきたのである。