
パリ本店にある地下ワインセラー。世界のコレクター垂涎のコレクションが眠る。
ワインに恋してパリへ
「1981年、21歳の時にトゥールダルジャンに入りました。ソムリエになったのは、ワインが好きだったから。そして当時は、アメリカもオーストラリアも今のような高品質なワインを造っておらず、いいワインを飲むにはフランスに行くのが必然だったのです。とはいえ、パリには多くの一流レストランがあるものの、そのすべての店でワインの保管環境が整っているわけではありません。そんな中、トゥールダルジャンには素晴らしいカーブがあり、優れたワインを行き届いた管理のもと熟成させ、最良の状態でお客様にサービスすることができる。それは今も私の大きな誇りです。そして私がシェフソムリエになってからも、ワインは増え続け、現在ワインリストは350ページにも及んでいます。私は、ちょうど自分の子供を育てるように、愛情を持って成長を見守り、ワインが花開くのを待つのです。一番好きなワインは?とよく聞かれますが、“自分の子どもたち”に順番は付けられません(笑)」。