
ITイノベーションがもたらすエコ —NEC—
Photo Yu Nakaniwa Text Rie Nakajima
業界を率いる環境経営のパイオニア
近年でこそ、環境に配慮した経営は企業にとって不可欠なものとなりつつあるが、NECでは30年前から環境に対する体系的な取り組みを続けてきた。本社に専門部署が発足したのは1970年のこと。環境庁の発足が71年であることを考えれば、いかに早いスタートであったかがわかるだろう。「公害問題の巨大化を受けて、当時のトップが海外の企業に視察に赴いたことが始まりでした。環境に対する取り組みが企業のリスクを軽減し、さらに他社に先駆けて始めることで将来的な優位性に繋がることを、早くから察していたようです」と、CSR推進本部・環境推進部エキスパートの稲垣孝一氏は語る。「2000年からは環境経営という言葉を使い、環境への配慮を経営と一体化させて取り組んできました。つまりIT技術の活用によって生産からリサイクルシステムまで徹底して省エネをはかり、エコマインドを全社員に教育するなど、持続的な活動を強化し始めたのです」。

(左から)宣伝部・国内広告企画グループマネージャー、辻季之氏、CSR推進本部・環境推進部統括マネージャーの宇郷良介氏、CSR推進本部・環境推進部エキスパートの稲垣孝一氏。