世界の贅沢、NILEの贅沢

クオリティの維持を見守る

私が30年以上もの長い間、日本でシェフを務めることができたのは、最高の『エキップequipe(チーム)』がいたから。日本人は誠実で勤勉、まじめと3拍子揃っています。世界中どこを探しても、これほど素晴らしい人材に恵まれる国はないでしょう。レストランの運営はエキップ次第ですよ。昨年、ロオジエがミシュランの3ツ星を獲得したことはとても嬉しく、誇りに思っています。でも大切なのは、このクオリティを維持し続けること。私がM.O.F(フランス国家最優秀料理人賞)を受けたのも、自分のレベルを常に向上させたかったからです。決して容易なことではありませんが、進歩なくして良いものは生み出せません。私がロオジエを退いて2年。今は、エグゼクティブ･プロジェクト･ディレクターとして、ロオジエを含む資生堂のレストラン全体を見ています。とはいえ、現場のシェフたちもプロの職人ですから、私が細かく指示を出すのではなく、彼らには自由に取組んでもらっていますよ。そして私自身は第一線を退いたので、悠々自適な日々を楽しんでいるところです(笑)。