日本の美 花鳥風月
一方で日本美術は投資的な流れとは一線を画した「健全な市場」で、多くの熱心なコレクターや美術館がオークションに参加していると氏は言う。
さらに作品自体の特徴も中国やインドの作品とは若干異なり、日本の美術は自然を重んじる向きがあるという。例えば中国やインドの仏像が青銅や石を素材にすることが多いのに対し、日本は木などより柔らかい素材を好んで用いたところにも、花鳥風月を重んじる日本人の特性が表れているのではないかと氏は語る。
絵画は紙や絹に描かれ、その素地自体を生かした作品もある。長澤蘆雪が描いた那智の滝もその一つだ。この絵の特徴の一つとして、滝の水の部分は絹の地を生かしてそのまま使い、水が流れている岩や背景の木の部分を墨で描く外隈(そとぐま)という技法が上げられる。こうした絹の素材を最大限に生かす技法は日本美術ならではの魅力の一つと言えるだろう。
さらに作品自体の特徴も中国やインドの作品とは若干異なり、日本の美術は自然を重んじる向きがあるという。例えば中国やインドの仏像が青銅や石を素材にすることが多いのに対し、日本は木などより柔らかい素材を好んで用いたところにも、花鳥風月を重んじる日本人の特性が表れているのではないかと氏は語る。
絵画は紙や絹に描かれ、その素地自体を生かした作品もある。長澤蘆雪が描いた那智の滝もその一つだ。この絵の特徴の一つとして、滝の水の部分は絹の地を生かしてそのまま使い、水が流れている岩や背景の木の部分を墨で描く外隈(そとぐま)という技法が上げられる。こうした絹の素材を最大限に生かす技法は日本美術ならではの魅力の一つと言えるだろう。


長澤蘆雪「那智瀧図」(18世紀)
予想落札価格 8万〜12万ドル(約880万~1,320万円)
予想落札価格 8万〜12万ドル(約880万~1,320万円)