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(左)今宴のハイライトである尾上菊之助と観世喜正による“羽衣”。(右上)人間国宝である亀井忠雄の太鼓に合わせて舞う観世喜正。(右下)藤間流の若き宗家、藤間勘十郎、能の重鎮、梅若玄祥、そして観世喜正による「江口」(左)と 演舞の前に場を荘厳にし、仏を称え、演場を清めるため作法“散華(さんが)”を行う僧都たち(右)。
荘厳な舞台に花ひらく至高の芸
期待が最高潮に高まるころ、ゲストはいよいよ大殿へ。寺院という“天”と“地”が交感する場所で、能「女郎花」から舞台は始まる。人間国宝の亀井忠雄の大鼓、そして若手ながらその実力をもって知られる観世喜正の舞が、男女の狂おしい恋とその悲しい結末を描く。続いては藤間流の若き宗家、藤間勘十郎、現代を代表するシテ方として知られる梅若玄祥、そして観世喜正による「江口」。愛欲に苦しむ遊女がそれを脱し普賢菩薩となる、仏教的かつ哲学的な物語は、増上寺大殿の荘厳さとあいまって、崇高なまでの高まりをみせる。最後は歌舞伎役者・尾上菊之助と観世喜正による「羽衣」。羽衣を返す代わりに、月の世界の舞を見せ、宝をまいて天に上っていく姿の美しさは、観る者を“天にも昇る心持”にするほど。人の世の悲しみ、そしてそれを乗り越えた崇高な美しさ、さらには天から地への祝福を、見事に表現した演者たちに、会場からは割れんばかりの拍手が贈られた。
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