PAGE...1|2|3|4
「背を向けた若い女性のいる室内」1904年 ラナス美術館
Photo (c)Niels Erik Hφybye
静けさが語る哲学
もう一つ、ハンマースホイの作品に顕著なのが、「物語 の不在」である。彼の作品の多くは、彼自身の生活の場 が繰り返し描かれているにも関わらず、その絵は、彼 の生活について何も語っていない。鑑賞者はいかなる 理解の方向も与えられず、そこで行くべき方向を見失 ったまま取り残されてしまうのである。
 だからといって、決して居心地が悪いわけではな い。むしろそうした不安感を抱きつつも、単にうら淋し いとは言い難い、不思議な「何か」が漂う空間が創出さ れており、その「何か」が鑑賞者の心を捕らえて離さな いのだ。
PAGE...1|2|3|4
LINK
CULTURE
ルカス・クラーナハの エロスとタナトス
>>2016.10.14 update
CULTURE
100年を見据える美術館
>>2020.2.4 update
CULTURE
日本初のラファエロ展開催
>>2013.3.26 update
CULTURE
20世紀最高のコレクターが愛した名画を巡る
>>2014.6.25 update
CULTURE
箱根旅館 強羅天翠で二日間限定の「志村立美 展覧会」開催
>>2011.11.2 update

記事カテゴリー