
山門脇に安置されている泥足地蔵尊。「ちょっとお参り」と山門前から手を合わせる地元の人も多い。
こうした由緒正しい京都のお寺に、永遠の安住の地を求めたい。そう願うのは誰も同じだろう。だがそれこそ特別なご縁でもなければ…と思いがちだが、核家族化が進み、子どもたちに供養の世話をかけたくないという人が増える中、現代人と仏の教えとの出会いの新しい形として、善想寺では永代供養を含めた墓地の分譲を行っている。永代供養の多くは合同墓所に納骨し供養塔に手を合わせる形だが、この寺では他に、その家のための墓碑を建立し、永代供養を寺で行うという、いわば従来一般的とされてきた墓のあり方に、より近いスタイルも提案している。どちらも本堂に位牌を奉り、住職自らが五十回忌まで毎月命日に過去帳を読み上げ、亡き人の供養をしてくれる。墓地には開山上人や、華道の池坊代々の家元、さらには今は途絶えてしまった京都相撲最後の名横綱・兜潟弥吉ら、歴史に名を残す人々も眠っている。そうした人々に混じって自分が…というとおこがましい気もするが、誇らしいのも確か。悠久の時を経て変わらぬものを大切に守り続けていく京の都に、安息の地を得る。生涯最後の贅沢はこれに決めたい。
●善想寺 TEL 075-841-1658 http://www.zensoji.or.jp
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