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街中の喧噪を感じさせない、静かなたたずまい。
善想寺 京の都に永遠のやすらぎの地を求める
Photo Satoru Seki Text Ichiko Minatoya
京都、堀川通から六角通へ西へ入る。三条会商店街の賑わいがすぐ向こうに聞こえるあたりに、善想寺はある。山門を入ってすぐ右にあるのは泥足地蔵尊。比叡山延暦寺開祖である最澄上人が自ら彫ったと言われる霊像で、道行く人が毎日往来のたびに親しくお参りが出来るようにと、山門の近くに安置されている。
 本堂前をさらに進むと、右手に石仏阿弥陀如来像が安置されている。赤みを帯びた石の仏様は約800年もの昔、当時四条後院であったこの場所で、上皇が手を合わせていたと言われるもの。その後応仁の乱など、戦乱に次ぐ戦乱で御殿は灰になり、京の都は荒れ果ててしまう。当時の人々は何とかこの仏様を戦火から守ろうと、土に埋めたという。
 乱れた世に荒廃した人心を救うべく、人々に仏の教えを説いたのが、善想寺開祖・想阿善悦上人だった。想阿善悦上人亡き後、孫弟子の春開上人は、混乱の世を治めて都の復興に着手した豊臣秀吉の許しを得て、この地に善想寺を建立した。以来この地で仏の道を説き、人々の信仰を集めて、善想寺は現代まで長い歴史を歩んできたのだ。
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