


(上)View of Mount Fuji with daisies from route 300. 2007 © Julian Opie,SCAI THE BATHHOUSE and Lisson Gallery
(下左)Jack,printer.profile right. 2007 © Julian Opie,SCAI THE BATHHOUSE and Lisson Gallery(下中)Shahnoza, pole dancer. 2007 © Julian Opie,SCAI THE BATHHOUSE and Lisson Gallery(下右)ブラー『ザ・ベスト・オブ』(EMIミュージック・ジャパンより発売中)のジャケット。
(下左)Jack,printer.profile right. 2007 © Julian Opie,SCAI THE BATHHOUSE and Lisson Gallery(下中)Shahnoza, pole dancer. 2007 © Julian Opie,SCAI THE BATHHOUSE and Lisson Gallery(下右)ブラー『ザ・ベスト・オブ』(EMIミュージック・ジャパンより発売中)のジャケット。
固定化した価値の変容を迫る作品群
ブラーのアルバムジャケットなどに見られる人物の
ポートレイトや風景画などは、極端に簡略化された線
と配色から成る、イラスト的ともいえる作風が特徴だ。
その作品は、単純化されているからこそ浮かび上がっ
てくる本質のようなものさえ感じさせるが、精緻なデ
ッサン力や画面構成力、色彩感覚などを包括した画
力、考え抜かれたコンセプトや根底に漂うフィロソフ
ィーがあるからこそ、軽やかな表現でありながら一種
の迫真力まで獲得することができているのだろう。ま
た、オピーは歌麿や歌川広重など日本の浮世絵版画の
コレクターでもあり、近年はコンピューターやLEDとい
った現代の表現ツールを用いて、浮世絵の構図や色彩
感覚を独特の表現へと昇華させた作品を制作してい
る。今回の展覧会ではそれらの作品もお目見えするの
で、オピーが浮世絵をどのように咀嚼し、アウトプット
しているのかにも注目したい。