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2007年ヴェネチア・ビエンナーレ/ソフィー・カル『Prenez soin de vous』展より。
人の深層に独自に切り込んでいくカルの作風
カルとビュラン。話題をさらったこのフランス人大物現代アーティスト同士のコラボレーションの実現も、いかにもカル的な手法であった。ヴェネチア・ビエンナーレ出展の際にはコミッショナーを選択せねばならないと知り、人選に困った彼女は、こともあろうか、いわゆる三行広告で人材を募集する。偶然その広告をみかけたビュランが、興味を持ったのだった。道で拾った手帳をリストとして使用し、そこに連絡先の記載されている全く見知らぬ人々にインタヴューをしていくことで、その手帳の持ち主の人物像を想像構築していく過程自体を作品としたり、身も知らない男を尾行し続け、又は母親に頼んで探偵を雇って自分を尾行させ、その間に自分が生きた時間をそのまま、日記や写真を使って構成し、作品とするのがカルの手法だ。彼女の作品群が、一見の初見では、ナルシスティックで暴露的であり、多分に私小説的な作風と判断されがちな所以である。
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