世界の贅沢、NILEの贅沢

世界遺産の懐で

遺跡からインスパイアされて造られたアマンジオは、建築界からも注目を集めた。建物の至るところに地元産のライムストーンが使われ、すでに長い歳月を経たかのような雰囲気をかもし出す。客室には、重厚な４本の石柱で支えられるベッド。木造様式のアジアンリゾートとは異なる、荘厳な趣がある。そして野外劇場を模したというメインプール、遺跡をも埋めつくしてしまいそうな椰子の樹海を見晴らすテラスレストラン……部屋へと進むまでの間にも、たとえ仏教徒でなくとも敬虔の念が芽生えてくる。
　夜明けには、ボロブドゥールを訪れるツアー“ミスティカル･エレメント”へ。ホテルへの帰り道は、スマトラ象に乗る“エレファント・サファリ”も体験できる。ロビーから微かに聞こえるコーランの音色は、まるで遥か昔の王朝時代から響いてくるようだ。そんな甘美な思いに浸る時間、これぞ、アマンジオが遺跡群の懐に創り出した魅惑のヴァカンスである。