
場所の特性を活かした戸建のような部屋
「普通の集合住宅では、そこにどのような風景があるのかおかまいなしに、ある種暴力的に北側に廊下を通し、南に向けてうなぎの寝床のように住戸を配置する。でも場所ごとの特性を最大化できるようなプランがあるべきだと思った。例えば、木漏れ日の降ってくる場所や森を俯瞰することのできる場所もある。そこで敷地を読み、場所の魅力、風景の魅力といったものを発見するプランを考えたのです。また通常のnLDK型の間取りに加え、あるアクティヴィティのための場所をプラスしています。夜に間接照明がぼおっと光るのを眺めながらお酒が飲めるプール、バーベキューのグリルのついたアウトテラス、本棚の向こうにある木漏れ日の落ちる寝室、水盤に浮かんだ茶室などがそうです。ティーハウス、テラスハウス、ライブラリーハウスなど、アクティヴィティにあわせて、6戸それぞれに異なった部屋名をつけています。またそのことによって戸建感覚も生まれました。部屋名がプールハウスとかだと、いってみたくなりますよね」。