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答えはすべて素材にある
「日本料理は、仏師が木の中から仏の姿を彫りだす作業に似ていると思います。料理において、求めるものはす べて素材にあるんですよ。だから私たち料理人がすべきことは、素材からその真髄を取り出すこと、これに尽き るのです。“おつくり”などはその良い例でしょう。素材をよく見ろ、というのはそういうことです。不要なものは そぎ落とし、足りないものがあれば補う。それも決して足しすぎることがないよう細心の注意をもって見計らい ながら。この技を極めたものが日本料理です」
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