
時間とともに変化、回転するダイナミックタワーのイメージ。
時代は四次元へ キーワードは「時間」
今年6月、イタリアの建築家であるデイビット・フィッシャー博士が、世界初の動く回転式超高層ビル「ダイナミック・タワー」をドバイとモスクワに建設すると発表した。「動きある有機的な生によって形作られ、時間によって設計された」と博士が語るこの建物は、日の出から日没まで各階が独立して360度回転し、まるで生き物のように全体の形を変化させる。各階で異なる回転時間・速度によって、絶えずその形を動的(ダイナミック)でドラマチックに発展させていくという画期的なビルディングだ。「時間は、相対性と固く結び付いているためもっともパワフルな次元だ」と話す博士は、「時間」という四次元を建築に取り入れ、人と自然が持つリズムの融合を実現させる。これまで建築学の教師、設計者、不動産開発などさまざまな人生体験を経てきているデイビット博士。このユニークなダイナミック・タワーは、博士自身の多面的な人生を具現化した結晶のひとつといえるだろう。