王妃の人生を追体験する
第三展示場前では、これまでの華やかな雰囲気から一転。
真っ暗な暗室の中に、彼女の牢獄生活の遺品だけが展示
される。革命によって捕らわれの身となり、日ごとに転落
していく王妃の、みすぼらしく汗ばみ黄ばんだ衣服。両親
処刑後には牢獄にうち捨てられたまま10歳にて空しくな
った息子、ルイ・シャルル《ルイ十七世》と、彼女自身の遺
髪。処刑の当日の朝にしたためられた自筆の手紙。彼女の
デッサンレベルの肖像。人生の光と影。転落、という言葉
では語りきれない激しいコントラストに、一瞬寒気を催
すような体感をだれもが覚える展覧会である。
●グラン・パレ Galeries nationales du Grand Palais3,
ave du General Eisenhower, 75008 Paris
●http://www.rmn.fr/Marie-Antoinette
●グラン・パレ Galeries nationales du Grand Palais3,
ave du General Eisenhower, 75008 Paris
●http://www.rmn.fr/Marie-Antoinette


(左)留置中に王妃が着ていたシャツ。(c) Carnavalet - Roger Viollet(下)手書きのメモが添えられた、処刑に向かうマリ
ーアントワネット。(c) Photo RMN / Thierry Le Mage