空間が生んだ三幕の悲劇



(左)『ピアノフォルテの前のマリー・アントワネット』。(c)2007 Kunsthistorisches Museum mit MVK und OTM Wissenschaftliche
Anstalt offentlichen Rechts(中央)第二幕を彼女と共に演じたパートナー『ルイ十六世』1775年。(c)Photo RMN/Gerard Blot / SP(右
)フランス革命の引き金となる《首飾り事件》を、王家肖像と併置して暗示。(c)Prises de vues Rmn / Cristiano Mangione
「空間デザインの軸は、会場から想定されてい
ます。グラン・パレには大きな三室があり、二つ
の大きな円形建物の空間によって繋がってい
ます。そのほとんどは天井高が3メートル、なか
には7メートルもの高さがあります。会場を想像
しながら、マリー・アントワネットに関する作品
を考慮した結果、アイデアは必然的にもたらさ
れました。今回の私の目的は、訪問客ができうる
限り強い感情を受ける展覧会にすること。その
ために私は三幕の悲劇というプランをたてまし
た。第一幕は、皇女として予定された人生。第二
幕は、ルイ十六世の王政時。マリー・アントワネ
ットのスタイルを表現する美術品が存分に展
示されるので、展覧会実行委員会にとっては最
も大切な箇所です。そして1789年と共に王政の
最後が近づく第三幕、悲劇の幕となります。そ
の時期の様々な出来事が彼女の人生に最後の
役を演じることを課するのです」