


(上)グラン・パレは1900年のパリ万博を記念して作られたアールヌーヴォーの代表的建築物。Paris (c) Photo RMN/(c) Claude
Abron(左下)プチ・トリアノン宮、ロシェール棟の椅子。(c)Photo Rmn/(c)Herve Lewandowski(右下)ラピスラズリ製の舟形食器。
(c)Photo RMN/Daniel Arnaudet
悲劇の王妃か、ファッションリーダーか
出版物の刊行が相次ぎ、マリー・アントワネットフィー
バーの到着点となるのがパリ、グラン・パレにて6月30
日まで開催される『マリー・アントワネット』展。ヨーロ
ッパ中から300点以上の美術品を集め、オーストリアの
幼年期から、処刑される朝まで、美術品、家財、服飾・歴
史資料を総動員して彼女の人生の軌跡を総括するラ
インナップを見れば、豪華絢爛なルイ十六世風から、
彼女のプライベート・サロンと言えるプチ・トリアノン
離宮の田園風スタイルまで、現代の"ファッションリー
ダー"の先駆けとして、ベルサイユ的伝統から革新し
ていった、華やかな当時の流行の推移が一望できる。
同時に、宮廷の革命児である彼女自身が、フランス革
命の標的として民衆の手によりついには転落していく
歴史叙事詩としても、見所は尽きない。