
アントワネット指名の肖像画家エリザベット・ヴィジェ・ブランによる肖像画。(c) Photo Rmn

『マリー・アントワネット』展
/グラン・パレ(パリ)
/グラン・パレ(パリ)
Photo RMN
Text Yuka Toyoshima
Text Yuka Toyoshima
古今マリー・アントワネット旋風
マリー・アントワネットと言えば、池田理代子原作の歴
史大河マンガ『ベルサイユのバラ』、その原作から生ま
れた宝塚歌劇の公演、一方で、ツバイク著『マリー・ア
ントワネット』に至るまで、認知度の高さはお墨付きで
ある。オーストリア・ハプスブルグ家に生を受け、フラ
ンス・ブルボン家に嫁ぎ、ルイ十四世が建造した絶対
王政の象徴でもあるベルサイユ宮殿に生きる華麗。だ
が、王政から共和制へと時代が大転換する突起点に、
その最後を断頭台で迎えた悲劇の王妃。彼女への感情
的なシンパシーを感じる人々が多い理由は、そのドラ
マティックな人生と共に、神秘的、恋に生きる女、政治
家、気分屋など、すべての女性像を一身に体現するか
のような魅惑的な人物像に由来するとも言われる。
2006年ソフィア・コッポラ監督による映画『マリー・ア
ントワネット』を契機に、お膝元フランスでは、ちょっ
としたアントワネット・ブームが昨今続いている。