


(左)近代建築の5原則を高い完成度で実現したサヴォワ邸正面。(右上)ル・コルビュジエ近代建築の5原則の1要素、屋上庭園。(右下)屋上庭園に続くテラスにでる2階部分。

コルビュジエの建築
22件、世界遺産申請へ
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CopyrightcArchimedia.Inc (Photo:Yasunari Shimoda) Text Chiho Kato
自己表現と自己実現の天才ル・コルビュジエ
ご存知のとおり、ル・コルビュジエは近代建築の代表的な建築家のひとりである。鉄筋コンクリートを用いた住宅建設方法「ドミノシステム」、「住宅は住むための機械である」という自身の建築思想を的確に表現した言葉。さらには近代建築の5原則、「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面」「水平に連続する窓」「自由な立面(ファサード)」を発表し、1928年「サヴォワ邸」に結実させた。彼の生涯は自己表現と自己実現の繰り返しだったように思える。晩年の「ロンシャンの礼拝堂」は、造形を強調し、それまで彼が主張した機能性、合理性を重視したモダニズム建築からかけ離れた作品である。一見、矛盾のようにみえる側面があるが、それは矛盾ではなく、変化なのであろう。建築以外にも、絵画、家具、出版など自己表現する媒体をいくつも持ち合わせ、生涯、自己の理想の実現に努めた。