
さらに言えば債務者に対しては厳しい金融業者も、貸し出すための原資を提供してくれる“金主"にはこと
のほか誠実なのだということも意外に知られていない。一般に融資を手掛ける業者はみな債務者を“顧客"
と位置付けているが、これはタテマエに過ぎない。銀行、証券会社からマチキンに至るまで、金融業と名の付
く商売は「金主こそが顧客」である。しかしながら融資を扱う業務に従事している人で、この本質を認識出来
ている人はむしろ少数派と言える。いわゆるグレーゾーン金利帯で融資を行っている業者でも債務者が顧
客ではなく運用手段なのだとは決して教えない。グレーゾーン金利帯誕生のいきさつについては別の機会
に譲るが、グレーゾーン金利とは、利息制限法が定める上限金利と、出資法が定める上限金利の間のゾーン
の金利を言い、いわゆる消費者金融業者が適用してきた金利帯を指す。