
一切の不必要な機能を排除したブラックボディーは、撮る者を選ぶ気品と風格に満ちあふれている。捉えた光を忠実に画像エンジンまで届けるレンズには特に定評がある。

高級コンパクトの世界
『SIGMA DP-1』
Photo Sigma Corporation
Text Hiroshi Urata
Text Hiroshi Urata
無難で無個性な写真よ、サヨウナラ
原点回帰。DP1が打ち出したコンセプトは、明確である。「良い写真とは何だろう?」という、誰もが抱くこの疑問に
、シンプルかつ忠実に答えを導き出した。最近のデジタルカメラ技術の飛躍は目覚ましく、さまざまな失敗リカ
バリー技術で溢れ返っている。暗いとカメラが判断したらフラッシュがオートで光り、シーンを自動で認識して
最適なモードが選ばれ、顔認識や手ぶれ補正などが起動する。これらの機能が便利だということは事実だが、平
面的で画一的な写真を量産してしまうことにSIGMAは不満を持っていた。もっと撮影者が近くに感じられる写
真を。その思いの結晶がDP1なのである。さまざまな技術が盛り込まれているが、それらは決して撮影者を置き
去りにする存在ではない。また、交換レンズメーカーとしてのノウハウを結集し、その場の雰囲気を忠実に捉え
るレンズが組み込まれている。