

パリの市電【前編】——
復活までのシナリオ
復活までのシナリオ
Photo&Text Shun Kambe
復活がもたらした思わぬ効果
2006年にパリ市電が復活してまもなく2年が経つ。1938年の市電全廃以来、68年ぶりに復活した路線だ。現在
のところ、パリ15区ポルト・デュ・ガリグリアーノと13区ポルト・ディブリーの間7.9kmを24分で結ぶ、局地的なネ
ットワークである。路線上に設けられた17の電停の約半分でメトロとの乗り換えが可能という利便性も手伝い、
計画当初、その有用性に懐疑的だった市民にもすっかり膾炙した感がある。