



プティ・パレの広大な空間で開かれた禅の展覧会では、禅と関わりの深い茶道具も数多く出品。(右から)貴重な展示品の数々。「柿釉瓢抜色絵松竹梅茶碗」と「金閣寺鳳凰」。
名宝とともにパリで学ぶ禅の精神
パリでは日本茶ブームとともに和の文化に人々から高い関心がよせられている。08年は日本とフランスが交流150周年を迎え、さらに京都・パリ友情盟約締結50周年という嘉節だった年。その記念事業として10月16日から12月14日まで禅の展覧会「相国寺・金閣・銀閣名宝展」が開催された。場所は1900年のパリ万国博覧会の際、美術展示会場として建設されたパリのプティ・パレ。この歴史ある美術館内には、「京都における禅と美術」をテーマとした国宝や重要文化財を含む全79作品が出品された。禅文化の一大宝庫といわれる相国寺をはじめ、金閣鹿苑寺、銀閣慈照寺に所蔵されている珠玉の名品はいずれも欧州初出展。室町時代創建当時の「金閣寺鳳凰」、江戸時代を代表する画家・円山応挙の「牡丹孔雀図」、江戸時代の京都色絵陶器の陶工・野々村仁青の「柿釉瓢抜色絵松竹梅茶碗」など、国内でも滅多に目にすることのできない名宝は、訪れた者たちの心を躍らせた。