

(左)赤瓦家には基本的に玄関はなく南が正面。前にヒンプンと呼ばれる垣を造る。(右)
石垣島の旧盆のアンガマ。あの世からの使者として、仏前で家主と問答を行う。
ニライカナイ志向
沖縄の建築全体にいえることが南向きに作られているということである。もちろん必ずではないが、古い瓦家
はほとんどが南向きになっているため、観光で来ても方角を知ることができる。ましてや地元の人に道を尋ね
ようものなら「〜の東」といわれるくらい方角が根付いている。建築物が南向きに造ってあるのは「ニライカナ
イ」という南の海の彼方に五穀豊穰をもたらす神や生命の源があると信じられているためである。また海から
の季節風の強い島嶼地域において冬は北風を遮り、夏は南風を入れ風通しをよくするという理にかなった構造
になっている。瓦家で窓を全開にして夏の南風を入れればクーラーが無くても十分に心地よさを感じることが
できる。