
新旧入り交じる八重山建築のいま
古き良き時代の建築が残る竹富島
沖縄の建築様式と聞いて多くの人は赤瓦を思い浮か
べる。しかし実際には沖縄本島を中心にその数が減
ってきているのが現状である。そんななか、八重山諸
島にある竹富島では今日でも沖縄の赤瓦家屋を島全
体で保存に努めている。竹富島は約350人が暮らす小
さな島で赤瓦、星砂、水牛といった、古き良き沖縄の
姿を連想させる要素を今なお多く持つ。特に建築物
に関しては島の公民館が町並保存委員会を立ち上げ
、細かいルールを定めている。新築時には瓦葺にする
ことはもちろん、庭と家屋の広さ、母屋と離れの距離
などを施主と町並保存委員の役員とが何度も協議し
、ようやく建築の許可が下りる。こうした先祖から受
け継いできた建築様式を守ってきたことが、「沖縄ら
しさが残っている」との評判をよび年間多くの観光
客が訪れる要因となっている。

赤瓦の家が広がる竹富島の集落内。