


(上)2階の展示風景(左下)《ペインティングのための習作 no.26》(下)トラウマと書かれたドローイングでは、苗ではなく、種を
植えてつくることの重要性を示している。苗というのは家族(家系)を切り離すようなことだとファブリスは言う。
吊るされた人形は、ファブリスが友人の全身を型取り、
ラテックスで抜け殻をつくったもの。風に揺れて、ゆっ
くりと回っている。「このスキンに水をかけると人間に
なるような技術も、いつか可能かもしれない」とファブ
リス。また、壁には、日本で展覧会準備中に描かれた83
枚のドローイングが並んでいる。その中に、「りんごの
木にさくらんぼがなる」とファブリス流の例えで、1本
の樹木からさまざまなものが生まれる様子が描かれ
ている。実際、数年前には「あり得ない」と思われてい
たことが実現をみているのだ。今や私たちは、品種改
良されていたり、化学的に調味されていたり、自然のも
のではない人工的な食物を四季に関係なく口にだっ
てしているのだから。