
渋谷界隈でも数少ない湧き水がでる鍋島松濤公園。


(左)松濤の落ち着いた街並みにふさわしい松濤美術館の外観。(右)都心でありながら、松濤には緑も多い。
住民の憩いの場である松濤公園の池の周りには、趣きのある水車や東屋が建ち並び、緑豊かな風
景に心が和む。渋谷のすぐ近くと思えない静けさだ。園内にはソメイヨシノ、シダレザクラが植え
られ、花見の時期には人で賑わう。鍋島家の屋敷跡は、現在古陶磁器を集めた戸栗美術館となって
いて、江戸時代に伊万里、有田と優れた陶磁器をつくらせていた鍋島藩のゆかりを感じさせる。街
並みに溶け込むレンガ色のタイルが洒落た外観の戸栗美術館同様、松濤美術館も区立美術館な
がら、重厚感のあるレンガ造り。ガードレールのない道路には、手入れの行き届いた街路樹が植え
られていたり、歩道部分にレンガが敷いていたりと、公共物でさえも高級感が漂い、実にセンスが
いい。整然とした街並みと瀟洒な邸宅が見事に調和していて、「日本のビバリーヒルズ」とも呼ば
れている。