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無機物質に命が宿った奇跡の建築
(左)バルセロナのランドマークとなっている塔の中は、彗星や宇宙船を連想させる空洞となっている。(中央)昼間は、石の色やディテ ールなどを観察するのに最適である。雨の日も、また素晴らしい。(右)いまこの瞬間も、サグラダ・ファミリアの建設は進む。主任彫刻家 を務める外尾悦郎氏による著書『ガウディの伝言』も興味深い。
自然と独創性が行き着く先は何だろう。それは 地球上で生命の系譜が連綿と紡がれているよ うに「未来への継続」かもしれない。サグラダ・フ ァミリアは未完成とはいえ、実はかなりのエリ アが完成している。世界を代表する一流の職人 が刻んできた精巧な彫刻は、すでに来訪者の心 を打つ仕上りを誇っているし、内部のモザイク ガラスや列柱群の装飾も取り付けが済んでい る部分も多いのだから。驚くべき事実は、ガウデ ィが存命の時に完成した古いパーツは修復工 事が行われていること。すでに完成品のように 来客をもてなし、パーツとしての役目を終えて 修復される部分があり、まだ工事中の部分はも ちろん、設計が想像段階のものもあるなど、生 命体を通り越した作品なのだ。ガウディは志半 ばで倒れたが、サグラダ・ファミリアは、今日も 世界中の人々に見守られ、未来に向けて生き続 けている生命体建築なのである。
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