新・都市計画の雛形をめざして



(写真左)シモーヌ・ド・ボーヴォワール橋。(写真右上・右下)アヴニュ・ド・フランス。
自動車主体の交通体系から脱却の試みは他に
もある。今世紀最大規模の都市再開発事業が進
むセーヌ左岸トルビアック地区では、歩行者お
よび自転車を主、自動車を従と位置づけた都市
計画が全容を見せ始めている。同地区の幹線道
路となるアヴニュ・ド・フランスは道路中央に歩
行者・自転車専用道を設け、周囲に延びる施設
へ直接アプローチできるシステムになってい
る。またこの交通インフラ体系の一部として
2006年に開通したシモーヌ・ド・ボーヴォワール
橋は歩行者・自転車の専用橋という画期的な内
容に各分野からの期待も大きい。この橋の開通
により一体感を強めつつある対岸のベルシー
再開発地区をふくめて、脱・自動車交通社会の
交通インフラは更に大きな規模で整備が進ん
でいる。「市内自動車交通量の40%削減」という
20カ年計画の滑り出しは順調だ。